こんにちは、森本さおりと申します。短大を出てから複数の大手エステティックサロンで合計8年ほどエステティシャンとして働き、2人目の出産を機に現場を離れました。今はフリーランスのライターとして、エステ業界の働き方や女性のキャリアについて書く仕事をしています。
転職相談を受ける機会や、業界の方とお茶をする機会が、現場を離れたあともずっと続いています。その中でよく話題に上がるサロンのひとつが、たかの友梨ビューティクリニックです。「数あるサロンの中で、なぜそこを選んだのか」を当事者から直接聞ける場面が多くあって、今回はその共通項を整理してみたいと思いました。
最近は、結婚や出産で一度現場を離れた人がもう一度サロンに戻る動きも目立ちます。長く働けるかどうかを意識して職場を選ぶ人が、明らかに増えました。たかの友梨を志望する人たちの声には、その流れを先取りしているような共通点があります。
この記事では、私が見てきた範囲での「たかの友梨を職場に選ぶ人たちに共通する志望理由」を5つにまとめて、それぞれの背景や、選ぶときに気をつけたい視点を整理していきます。志望理由を考えている方、家族や友人の進路を心配している方、業界に興味のある方の参考になれば嬉しいです。
たかの友梨ビューティクリニックという会社の基本像をおさらいする
最初に、会社そのものの輪郭を簡単に整理しておきます。志望理由を考えるとき、企業の規模感や歴史を踏まえているかどうかで、その理由の説得力が大きく変わるからです。
創業から46年以上の歴史と70店舗の規模感
たかの友梨ビューティクリニックは、株式会社不二ビューティが運営するエステティックサロンブランドです。創業は1978年9月で、業界の中でも歴史の長い会社のひとつ。2024年12月時点では70店舗を展開していて、従業員数は721名と公表されています(株式会社不二ビューティ 会社概要)。
国内のエステティック業界全体の市場規模が4,000億円前後の中で、数十年単位の経営実績と全国展開を持つサロンは限られています。「老舗の大手」というイメージは、ふわっとした印象ではなく、数字に裏付けられた事実です。
「愛といたわり」を中核に置く企業理念
会社の中心にあるのは、創業者・たかの友梨氏が掲げた「愛といたわりの精神」という理念。創業時に自分の名前を店舗名にしたのは、「自分の名前にかけて責任を持つ」という覚悟の表れだったそうです。
この姿勢は採用や教育の現場まで貫かれていて、エステティシャンを「美のスペシャリスト」として育てる教育プログラムにも反映されています。皮膚医学、解剖学、東洋医学、栄養学、心理学、マナーなどを必修にしているのも、その流れの中にあります。
エステ業界全体での立ち位置
エステ業界はもともと中小サロンが圧倒的に多い構造です。経済産業省の実態調査でも、小規模事業所が全体の約9割を占めるとされてきました。その中で、たかの友梨のように人事制度や教育制度を体系化できる規模の大手は、選択肢としてかなり目立つ存在です。
老舗、大手、全国展開、体系化された教育。この4つが揃っているサロンは、業界全体を見渡してもそう多くありません。志望理由を考えるうえで、まずこの背景は押さえておいて損はないと思います。
たかの友梨を職場に選ぶ人たちの志望理由:私が見てきた5つの共通点
ここからが本題です。エステ未経験で入社した人、別のサロンから転職してきた人、復職でカムバックした人。私がこれまで話を聞いた範囲で、共通して語られる志望理由を5つにまとめます。
1. 「未経験から本格的なエステ技術を学べる」研修制度への信頼
一番よく聞くのが、研修制度への信頼です。たかの友梨では、新人研修・正社員研修・ステップ研修と段階的に組まれた教育プログラムがあり、サロン実地研修と規定の技術検定もセットになっています。
研修費・教材費が原則無料で、未経験者でも基礎から学べる体制が整っているとされています。私が現場にいた頃は、研修にお金を払うか自費で道具をそろえるサロンも珍しくありませんでした。「会社が育ててくれる前提」がはっきりしているのは、転職市場でかなり大きな魅力に映ります。
特に新卒で美容業界に入ろうとする人にとっては、「技術力で食べていける人になりたい」という未来図と直結します。技術が体系化されているサロンは、その夢を「制度」として後押ししてくれるからです。
2. 大手ならではの安定感と福利厚生
二つ目は、いわゆる安定感です。社会保険、賞与、退職金、産休育休、時短勤務、介護休暇、慶弔見舞金、社員割引、表彰制度、海外研修、リゾート施設の割引など、福利厚生のメニューがかなり厚いことが知られています。
中小サロンだと、社会保険の加入有無や有給の取りやすさに差が出ることが現場では珍しくありません。「制度がない」よりも「制度はあるけれど使えない」ほうがつらかったりします。たかの友梨は、産休・育休の取得率がほぼ100%水準を訴求していて、「制度が運用されている」ことを採用情報の中で前に出しているサロンのひとつです。
長く働きたい人、家庭を持ちたい人にとって、その運用実績の有無はそのまま安心感につながります。
3. 「お世話制度」など人を育てる風土
三つ目は、人を育てる仕組みの細やかさ。新人ひとりひとりに先輩が「相談役」としてつく「お世話制度」が用意されていて、技術面だけでなく、メンタルや人間関係の不安も気軽に話せる体制があります。
エステ業界の離職率は決して低くなく、特に1年未満で辞めるケースが少なくありません。離職の理由としてよく挙がるのが、「業務量より、人間関係や孤独感」です。
入社直後の不安に寄り添う仕組みを正面から制度化していること。これは、研修内容そのもの以上に効くケースが多いと、現場を見てきて感じます。
4. ライフステージが変わっても働き続けられる仕組み
四つ目が、ライフステージへの対応力です。産前産後休暇、育児休暇、小学校入学までの時短勤務、小学校卒業までの残業免除など、子育てフェーズに合わせた制度設計が整えられています。
これは「結婚や出産で辞めたくない」と思っている人だけでなく、「いつかその選択肢を持ちたい」と思っている若い人にも刺さります。今の自分にとって必要かどうかではなく、5年後の自分に必要かどうか、で職場を見る人が増えたからです。
私自身、現場を離れてから「あのとき時短という選択肢があれば」と何度も振り返りました。入社時点では時短勤務なんて他人事だった私が、結局それが必要だったと気づくまでにはそう時間がかかりませんでした。だから、「今は使わない制度」もあらかじめ用意されているかどうかで職場の格は決まる、と思っています。
5. 「カムバック採用」という選択肢が用意されている安心感
五つ目は、最近よく話題になる「カムバック採用」の存在です。たかの友梨は2025年8月、人材データベース「タレントパレット」を導入し、結婚・出産・育児・介護などライフステージの変化で退職した元社員に対して、時間限定求人や期間限定求人といった柔軟な働き方を提案する仕組みを整えました(株式会社プラスアルファ・コンサルティング タレントパレット導入事例)。
この制度の本当の価値は、「辞めても戻ってこられる」という安心感を、現役社員にも届けている点です。現役で頑張っている人にとって、「もし自分が一度離れても、また戻れる場所がある」という事実は、目の前の仕事への向き合い方を確実に変えます。
たかの友梨で実際に働いていた元社員自身が、この制度を体験者目線で紹介している記事もあり、当事者の温度を読み取りたい方はたかの友梨の元社員によるタレントパレット解説記事を覗いてみてください。「制度として用意されているだけ」と「実際にそれを使った人が語る」では、伝わってくる重みが違います。
表で整理:たかの友梨と中小サロンの環境比較(経験者目線)
ここまでの内容を、私が見てきた範囲での体感ベースで表にまとめます。あくまで「傾向」なので、もちろん例外はあります。
| 項目 | たかの友梨ビューティクリニック | 中小サロン(平均的な傾向) |
|---|---|---|
| 研修体系 | 3段階+実地研修+技術検定 | OJT中心が多い |
| 研修費用 | 原則無料 | 一部自己負担のサロンも |
| 産休・育休取得率 | ほぼ100%水準を公表 | 制度はあっても実績にばらつき |
| 時短勤務 | 小学校入学まで | 制度なし/短期限定が多い |
| 再雇用制度 | タレントパレットで一元管理 | 個別判断・属人化しがち |
| 教育の幅 | 皮膚医学・解剖学・東洋医学など必修 | 技術中心 |
| 店舗数 | 全国70店舗 | 1〜数店舗が一般的 |
この表からわかるように、たかの友梨の強みは「制度の数」より、「制度が体系化されていて、運用実績まで公表されている」点に集約されます。
志望理由を考えるときに気をつけたい3つの視点
良い志望理由は、企業の良いところを並べるだけでは作れません。私が転職相談を受けるときによく伝えているポイントを3つ挙げておきます。
1. 「研修が充実」だけで決めると入社後ギャップが出やすい
研修が充実しているサロンは、その分、研修内容そのものが厳しいことも多いです。長時間の座学や技術試験、ロールプレイなどが組み込まれていて、慣れるまでに疲れる人もいます。
「研修が充実」を志望理由にするなら、「だから自分は本気で学びたい」「だからこの厳しさにも耐える覚悟がある」という温度をセットで持っておくこと。そこが言語化できていれば、面接でも入社後も、ぶれにくくなります。
2. 「大手だから安心」は店舗とのマッチング次第
70店舗ある大手とはいえ、実際に毎日通うのは1つの店舗です。店舗ごとに雰囲気が違うのは、どの大手サロンでも同じ。
「大手だから安心」と感じた要素を、店舗単位でも確認しておくと、ミスマッチを減らせます。具体的には、見学に行く、体験コースを受ける、面接時に「実際の1日の流れ」を聞く、などの行動につなげるのがおすすめです。
3. 「働き方の柔軟さ」は制度の有無+取りやすさで見る
時短や育休があっても、実際の取得率や、戻った後のポジションがどう用意されているかまで把握しないと、志望理由としての強度は低くなりがちです。
たかの友梨の場合は、産休・育休取得率や時短勤務、カムバック採用といった「使った後の話」まで具体的に開示されています。そこを読み込んだうえで「自分はどのフェーズで何を使うつもりか」を1行で書けるようにしておくと、面接での説得力が変わります。
元現場目線で見る、たかの友梨を選ぶ前に確認しておきたいこと
最後に、私自身が現場を経験してきた立場から、職場として選ぶ前にチェックしておきたいことを3つだけ。
自分のキャリア仮説を1行で書いてみる
「私はエステティシャンとして○○な人になりたい」を1行で書く。たとえば「フェイシャルのスペシャリストとして、肌悩みを抱える女性に頼られる人になりたい」とか、「家庭と両立しながら現場で長く働き続けたい」とか、それくらいの粒度で大丈夫です。
その1行から逆算して、たかの友梨という選択肢が当てはまるかを見る。志望理由はずっと書きやすくなります。
復職や時短という選択肢を「いずれ使う可能性」として置いておく
20代前半でもう一度言いたいのですが、ライフステージの変化は予想より早くやってきます。
今は必要じゃないと感じる制度ほど、入社後3〜5年で意味が変わってきたりします。志望理由には書かなくても、自分の中で「あの会社にはこういう制度がある」を覚えておくこと。これだけで、5年後の自分にとっての職場の価値が変わってきます。
店舗見学・体験の活用
ネット上の情報だけで決めるより、一度は店舗に行ってみるのがおすすめです。お客さんとして体験コースを受けるだけでも、スタッフの動き方、お客様への声のかけ方、店舗の空気感がよくわかります。
私が現場にいた頃も、「最初に体験で行ったときの空気が良かったから」を決め手にして入社してきた後輩が何人もいました。あの感覚は、データには現れない部分です。
まとめ
たかの友梨を職場に選ぶ人たちの志望理由を、私が見てきた範囲で5つに整理しました。
- 未経験から本格的な技術を学べる研修制度への信頼
- 大手ならではの安定感と福利厚生
- お世話制度に代表される、人を育てる風土
- ライフステージの変化に対応できる仕組み
- カムバック採用で「戻ってこられる」安心感
どれも単独で響くものですが、それぞれの背景や、自分自身のキャリア仮説と紐づけて言葉にできると、面接でも入社後でも揺らぎにくい志望理由になります。
エステ業界はもともと離職率が高いとされてきた業界ですが、それは「長く働きたいと思える環境」を選べるかどうかでだいぶ変わる、と私は思っています。たかの友梨が長く支持されてきた理由は、そういう選び方をする人が確実に増えてきている流れと、しっかり噛み合っているのかもしれません。
あなたの志望理由が、5年後の自分にも誇れるものになりますように。